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手縫いとミシン縫いは何が違うのか

革の縁を手縫いしている両手のクローズアップ

「手縫いとミシン縫いって、見た目以外に何か違うんですか?」という質問を工房でよく受けます。正直に言うと、見た目の違いより構造の違いのほうが大きいです。その話を書きます。

縫い目の構造が根本的に違う

ミシン縫いは上糸と下糸が革の中で絡み合う「ロック構造」です。一箇所の糸が切れると、連鎖的にほつれが広がる可能性があります。手縫いは二本の針を使い、一つの穴に二本の糸を交差させて通す「サドルステッチ」という方法です。一箇所が切れても、隣の縫い目が独立しているためほつれが広がりません。

修理のしやすさも違う

手縫いの革小物は、ほつれた部分だけを解いて縫い直すことができます。ミシン縫いの場合、同じ穴を再利用するのが難しく、修理の跡が目立ちやすいとされています。

もちろん、縫い方だけで耐久性が決まるわけではありません。革の状態や、日々の使い方にも大きく左右されます。

  • 手縫い:一箇所切れても隣の縫い目は独立
  • ミシン縫い:連鎖ほつれのリスクがある
  • 手縫い:修理時に同じ穴を再利用しやすい
  • ミシン縫い:修理跡が目立ちやすい

では手縫いに欠点はないか

あります。時間がかかることと、コストが上がることです。財布一つを手縫いで仕上げるのに、縫いだけで数時間かかります。ミシンなら同じ工程が数分で終わります。量産には向きません。

工房では一点ずつ手縫いで仕上げているため、完成まで数週間いただいています。それを「待てる」と思っていただける方に向けた仕事だと思っています。

手縫いかミシン縫いかを選ぶのは、最終的には使い方と価値観の問題です。長く使いたい、修理しながら使いたいという方には、手縫いの革小物が向いていると思います。

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